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▽ EQ日記 ~ 第4話 「ギャップを埋める」~

 

"どう言ったらいいんだろう!?"

EQフィードバックをしていると、時折そんなことを考える。

どんな言葉を遣ったら、相手に届くのか?

年齢・性別・職業・今までの経験。
自分と近いほど、相手の気持ちを想像しやすいし、自分の体験もストレートに伝わって気持ちも共感しやすい、と思う。
けれど、もちろんそんなお客さんばかりではない。

普段以上に頭を巡らせたのは、18歳の受験生にEQフィードバックをすることになった時。

「こんな説明で通じるかな?」
遥か彼方の自分が18歳の頃を思い出す。

(18歳の頃の自分には、家と学校と習い事以外の世界はなかった。
その頃の私には、社会人になっていつの間にか当たり前になっていることは通じないよね。)

説明する時の例え話をひとつひとつ、18歳にも通じるかな?とチェック。
それでも当日、時々社会人じゃないと分からない例え話をしそうになる。

人って、自分で気づかないうちに、頭が固くなっていくんだなあ。。。
そんなことをつくづく実感。
でも、経験や年齢のギャップを感じている場合ではない!

"とにかく、相手の話を聞く。そして相手の気持ちに注目する。"

それを肝に銘じてじっくり話を聞く。本人は勉強のモチベーションがあがらないことを悩んでいた。
正直、中学受験しかしたことのない私は、大学受験のプレッシャーは経験したことがない。

「ヤバイ」

そんな3文字が頭をよぎる。

「受験って大変だよね~。私もさぁ、・・・」
なんていう気持ちの共有が私には出来な~い!
だって受験の苦しみを味わっていたのは、小6の半年間だけなんだから。

どうしよう。年齢だけじゃなくて経験にもギャップがある(汗)
水面を優雅に泳ぐ白鳥さながら、見た目は落ち着いて話を聞く一方、脳の一部では必死にこの後の展開を考える。

 ここで焦ってはいけない。「落ち着け、私。」
  ここで自分に意識の矢印を向けてはいけない。「話をじっくり聞くのよ!」
  「大事なのは、目の前の人が、自分の可能性に気づいて、新たな1歩を踏み出すきっかけをつくること。」

自分に言い聞かせて話を聞いているうちに、モチベーションがあがらないことで湧いてくる気持ちを現す言葉が相手からどんどん出てきた。

モチベーションがあがらない自分に対する苛立ち。
このままだとどうなるだろう、という不安。
頭では分かっているのに、実行できない自分への失望感。

"ああ、そうか。<モチベーションがあがらない>ことで湧いてくるネガティブな気持ちは、なにも受験に限ったことじゃないよね"

受験ではないけれど、勉強に対しては私も10代に悩んでいたし、現在進行形で、例えば家の片付けのモチベーションがあがらないことにも悩んでいる。

自分の体験を交えながら開発行動のアドバイスをし、一緒に本人にぴったりあった"習慣を変えるちょっとした行動"を考えた。

「掃除の話をきいて、同じように悩むのは自分だけじゃないと分かって安心しました。」

後で、そんな内容のメールをもらった。

社会人になれば、モチベーションアップで悩む話なんていっぱい聞く。
けれど、18歳は、それが自分だけじゃないか、って悩むんだ。
当たり前だと思っていた自分の思い込みに気付かされたと同時に、一緒に話をした時間が役に立ったのだと分かって、本当に嬉しかった。

 

第5話へ続く

 

EQJ公認プロファイラー 河野晶子 (志縁塾)

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