▽ EQ日記 ~ 第1話 「初めてのフィードバック」 ~
2008年4月13日
いよいよ、この日が来た。EQプロファイラー養成セミナーが終了して約2ヶ月。
1対1で個別に向かい合って、行動特性を説明し、フィードバックする日が、とうとうやってきてしまった。
養成セミナーでは色んなケースのEQ検査結果を見ていた。そこから2ヶ月経って、逆に知識が劣ってしまっていないか、見方が偏ってきていないか、その人のことを考えたアドバイスができるのか。そんな不安が押し寄せる。
記念すべき、一人目のフィードバックはTさん。場所は大阪。
出来る限りの準備はした。EQ検査の結果が出てから2日間、養成セミナーでやったように、行動特性の診断結果をA4用紙1枚分のボリュームにまとめ、それと検査結果のシートを何度も見比べ、フィードバック手順をテキストで何度も確認してシミュレーション。
当日の緊張はピーク!
でもありがたいことに、結構いろんな解消法を知っている。トイレでメイクに集中、キュっと縮んでいる胃をほぐすのに背中をたたく、そして何よりも感情のコントロール。
「うまく説明できるかな」なんて自分に意識の矢印を向けてしまわないように、“一番大切なことは何か”を考える。
「大切なのは終わったときに、Tさんが来たときよりもすっきりした笑顔になっていただくこと。」
それを呪文のようにとなえ、いざフィードバックを開始。
あれ、しゃべりすぎてるかな。
Tさん今、どう感じたのかな。
私の説明で分かってるかな。
不安にかられるたびに、つい話すことで不安を解消しようとする私。でもはっと思い出す。
大切なのは、私の満足感ではなく、Tさんにきっかけを提供すること。
そうでなくては、EQプロファイラーになった意味がないのだから。
1時間でどこまでのことが出来たか、正直わからない。ただ、目の前にいるTさんの、小さくてもいいから自分に気付くきっかけになりたい。時間が経つにつれ、そういう思いがどんどん心の中に湧いてくる。
そうしてこの日、私にとっては最高の言葉をいただけた。
Tさん、実は今の職場を退職することにしていた。これ以上続けるのがしんどくなったから、とおっしゃっていた。話をしているうちに、Tさんが突然こう言った。
「私、どうして退職しようと思ったか、やっと分かった!」
自分自身に気付く。変化の第1歩はそこから始まる。
目の前で、人の表情がパッと晴れやかになる瞬間。それは、なんだか花がパッと開いたようなとってもすがすがしくて明るいイメージ。
こんな瞬間を見ることができるなんて、私ってなんて幸せなんだろう。
プロファイラーになって良かった。
心の底からそう思った、初めてのフィードバックでした。
≪第2話へ続く≫